医療トピックス

鼻副鼻腔センター


★副鼻腔センターとは

 平成29年7月より、新たに鼻・副鼻腔センターを開設いたしました。
 花粉症や蓄膿症、嗅覚障害など鼻疾患にたいして、専門的な検査や手術治療を希望される方を対象とした専門のセンターです。鼻腔生理学的検査や嗅覚検査、下鼻甲介粘膜焼灼術を初めとする外来手術、内視鏡下鼻内手術の適応の判断と施行ならびに術後管理、腫瘍性疾患の診断と治療を一貫して行っています。
 鼻の症状でお悩みの方は一度ご相談下さい。



★受診方法

 毎週月曜日の午前中に行っています。近隣の耳鼻咽喉科より紹介状を書いていただき、当院地域連携室予約係を通して直接センター外来を予約することが出来ます。また、先に一般外来を受診していただき、必要に応じてセンター外来を予約することもできます。当日の受付は、外来の予約状況によってお受けできない場合もありますのでご注意下さい。



★代表的疾患と治療法

アレルギー性鼻炎:

 Ⅰ型アレルギーとされており、通年性と季節性、混合性があります。通年性アレルギーの原因として最も多いのはハウスダスト(HD)で、季節性アレルギーの原因で最も多いのはスギ花粉です。採血検査で診断されます。症状は、水溶性鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)、くしゃみが代表的です。治療は重症度によって分類されていますが、初めは抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の内服やステロイド点鼻薬が中心になります。副作用として眠気があり、個人差があるため薬剤選択は慎重に行います。体質改善を目的とした減感作療法という免疫療法があり、最近は舌の裏に薬剤を投与する舌下免疫療法が開発されており、当科でも今後開始する予定があります。難治性の場合は手術療法を行います。局所麻酔下にレーザーを用いた短期入院手術から、全身麻酔下で行う鼻閉を改善させる下鼻甲介手術や鼻汁の分泌を抑制する後鼻神経切断術などを行っております。短期入院の場合は、手術時間は1時間程度で、費用は3割自己負担で1~2万円程度です。



慢性副鼻腔炎:

 一般的にいう『蓄膿症』です。症状は、膿汁、鼻閉、後鼻漏、頬部や前額部痛など様々です。鼻腔内に鼻茸(ポリープ)を生じる場合もあり、増大すると鼻の変形を来してしまう場合もあります。単純レントゲン検査やCT検査で、鼻腔と副鼻腔に炎症所見を認めれば診断できます。治療は、保存的にはマクロライド系抗菌薬の少量長期投与とネブライザー療法が有効とされています。保存的治療で改善しない場合は手術療法を行います。近年は全身麻酔下に内視鏡を用いた鼻内副鼻腔手術が一般的です。ポリープなどの病変を除去し、鼻腔構造を正常化させ、副鼻腔と鼻腔が十分に交通するようにします。通常の慢性副鼻腔炎が再発することは比較的稀ですが、後述する副鼻腔真菌症や好酸球性副鼻腔炎などの特殊な副鼻腔炎は再発を繰り返すことがありますので、慎重な治療プランが必要になります。通常、入院期間は、約1週間です。



鼻中隔彎曲症:

 左右の鼻腔を隔てている壁が彎曲している状態で、外鼻(鼻筋)が曲がっているのとは違います。日本人の8割は先天的に鼻中隔が彎曲しているとされています。症状は、左右交代性鼻閉です。治療は手術による矯正しかありません。曲がりの程度が重症で他院では手術が難しいとされた症例でも、新しい方法を用いることで対応が可能な場合があります。入院期間は、約5日間です。



歯性上顎洞炎:

 齲歯や歯根炎が原因となって発症する副鼻腔炎を指します。治療は、歯科的治療と耳鼻科的治療が必要になります。保存的に改善する場合もありますが、抜歯が必要になることや、耳鼻咽喉科として上顎洞手術が必要になることもあります。当院より近隣の歯科にご紹介する場合があります。


副鼻腔真菌症:

 真菌(カビ)が 原因で発症した慢性副鼻腔炎を指します。通常の副鼻腔炎よりも難治性で通常の抗菌薬は効果がありません。抗真菌薬も無効なときが多く、免疫低下した状態で体中に真菌がめぐり菌血症を引き起こして生命を危険にさらす場合があります。治療は、手術で真菌を除去する必要があります。



好酸球性副鼻腔炎:

 比較的最近定義された疾患で、アレルギーの原因となる血中の好酸球が関与した副鼻腔炎です。鼻腔内にポリープを形成し、鼻閉や嗅覚障害をきたす場合があります。治療としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコロリエン拮抗薬、ステロイドホルモン薬などが用いられますが根治性は低く、手術を必要とする場合が多いです。再発性が高く、繰り返し手術が必要になる場合もあります。


鼻骨骨折:

 スポーツや交通事故などで鼻の付け根にある鼻骨を骨折し、顔貌が変化してしまうことがあります。症状は、鼻出血や鼻閉、嗅覚障害など様々です。受傷から2週間以内であれば鼻内から整復することが可能ですが、それ以降だと皮膚を切開して矯正する場合があります。入院は1泊程度です。



難治性鼻出血症:

 通常の鼻出血であれば、一般外来で対応可能です。抗凝固薬を投与されている場合の繰り返す鼻出血や、Osler病による大量出血などの止血困難な症例に対しては、全身麻酔下の止血術を行う場合があります。Osler病では粘膜皮膚置換術などの特殊な手術が必要になります。


鼻涙管閉塞症:

 鼻涙管とは目と鼻をつなぐ管で涙を鼻に通す役割をしています。これが閉塞すると、常に涙が流れている状態(流涙)になってしまいます。これまでは眼科的な治療が主でしたが、近年は耳鼻咽喉科が鼻内視鏡下に閉塞部を鼻腔に開放する鼻涙管形成術や涙嚢形成術が行われています。当院でも手術可能です。


鼻副鼻腔乳頭腫:

 鼻副鼻腔に発生する良性腫瘍ですが、なかには悪性転化する症例もあり注意が必要です。症状は、腫瘍による鼻閉や鼻出血などで、一般的には手術での完全摘出を行います。手術は腫瘍の大きさや範囲によって、鼻腔内から摘出可能な場合と歯齦部もしくは顔面皮膚を切開して摘出する場合があります。放置することで稀に悪性化する場合があります。当院で治療可能で、入院期間は約2週間です。術後に再発しやすいとされており、定期的な外来通院が必要になります。


上顎癌:

 鼻副鼻腔のなかでも上顎洞に発生する癌で、病理組織学的には扁平上皮癌が最も多いとされています。症状は、鼻閉、鼻出血、頬部痛、頬部腫脹、悪臭のある鼻汁など様々です。腫瘍が眼窩や頭蓋内に浸潤すると、眼球突出や視力障害、髄膜炎などの合併症を引き起こす可能性があります。治療は、抗がん剤、放射線治療、手術の三者併用療法が一般的です。治療期間は数ヵ月に及ぶことも有ります。早期発見早期治療が重要です。治療の内容に応じて適切な施設にご紹介いたします。


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